階層より
人は未知のもの、得体のしれないものに恐怖を抱き興味を持つ。小、中、高校で授業で道徳を学ぶことがある。物を大切にする・やってはいけないこと・命の尊さについて教えられる。ごく普通に先生の話しを聞く、どれも知っているが疑問に思うことはなく自然に意見を述べる。

「心理テスト」には何かしらのタイプ分け
を行うものが大半で当たる当たらないで盛り上がる。「私」は心理テストに区別される究極の選択と呼ばれるものに興味をそそられる。

例えば、「あなた」の最も大切な人を二人想像してみましょう。浮かんだら次の質問に答えて下さい。

質問:「あなた」が思い浮かべた二人が崖から落ちた。二人とも助けるのは不可能である。しかし片方なら救うことができる。

現実にはあり得ない場面。まじめに答えるならば時間が掛かる。このような心理テストでは無論正解はなくどちらを選んでも説明欄には読み手の機嫌を損ねない程度にお茶を濁した内容が書かれている。

しかし、「あなた」ならばどう答えるか、「オレ・私なら二人とも助ける」と答える不可能を可能に出来る人は、ただの人助けになってしまうが、まじめに答えた場合は二人のうち一人を選んだことになる。
己が気づいていないかもしれない。でも助ける方を1番。助けない方を2番にしたことに変わりなく、順位は大切な人を思い浮かべる過程で最も大切な人、次に大切な人と考えたのと相違ない。その後で理由を聞かずとも真剣に答えてくれる。
< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop