教室と、初恋。



そしてその時、チャイムが鳴った。


あいさつをして、先生に放課後今日のところを教えてもらおうと歩み寄る。


……だけど。



「せんせー! ちょっとテキストでできない所あったから、放課後聞きに行ってもいい?」



一歩遅くて、友達のゆきに先を越されてしまう。


「わかった待ってる」と、メガネの奥の目を少し柔らかく細めて言う先生。



「せ……先生! わたしも今日のところ聞きたいんですけど……」



少しでも時間をくれないかと思って止まっていた足を再び動かす。


だけど先生は冷たい目をわたしに向けて、




「俺部活にも行きたいからおまえは無理」




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