教室と、初恋。


「はいゆき。勉強頑張って」


「ありがとー!」



だけどそんな考えも追い払って、ゆきにミルクティーのペットボトルを渡したとき。




「岡野、須賀(Suga)に倉橋も。どうした? こんなところで」



低い声がわたしたちを呼び止めた。



「篠崎先生っ! 今から職員室行こうと思ってたんですよー」



ゆきが一足早く反応する。



「……須賀、そのペットボトル、岡野のおごりなの?
 何かあったのか? 誕生日とか」



先生が指摘するさっきのミルクティー。



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