教室と、初恋。

「ふーん……」



健人はそんなわたしの答えを聞いて、そっけなく返事をした。


少し気まずい沈黙になってしまう。



「あ……そうだ、夏祭り……一緒に行くみたいだね」


「あぁ、昨日須賀から呼ばれて」


「久しぶりだね、一緒に行くの」



小学生くらいの時は毎年一緒だったけれど、中学くらいからはお互い別の友達と行っていたからなぁ。


そうだな、と健人も懐かしそうに言う。



「楽しみにしてるよ、彩奈の浴衣」


「はは……っ、もう見慣れてるでしょとっくの昔に」




「まぁそうだけど……それでも、」



わたしは笑ったけれど、健人は曖昧に語尾を濁して、軽く笑った。


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