教室と、初恋。


「ごめん、トイレ!」


「え、ちょ……サンデー来たらどうすんの!? 溶けるよ!?」


「2人で食べちゃっていいから!」



そう言い捨てて、席を立った。



「……副店長!」



わたしが向かったのは、裏へと通じる通路。


ここに来るのも何年ぶりだろう。



副店長はわたしの呼び掛けに応じて、ゆっくり振り返ってくれた。



「彩奈ちゃん。久しぶりだね、こんなとこ来るの」



本当は立ち入り禁止なんだぞ? と優しく笑ってくれる副店長。


さっきの笑顔とはまるで違う。




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