教室と、初恋。


なんて答えたらいいかわからなくて、わたしはつい少し逃げてしまった。



「……あは、それこの間健人にも言われましたよ。
 ほんと似た者親子ですよね」


必死に笑う。



きっと、副店長の言葉に肯定しているとはとってもらえないだろう。


だけどこの人なら、わたしがそれを聞かれたくないってことには気づいてもらえるはず。


だからわたしは、まっすぐ彼女の目を見て笑い続けた。


言わなくてもわかってほしかったのかもしれない。



そのうち副店長は、諦めたようにため息をついた。



「ま、楽しくやりなよ。高校生活はあっという間だから。
 男がほしけりゃうちの息子をいつでもあげるからね!」



冗談めかしてそう言う副店長。




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