教室と、初恋。
でも先生は何も気にしてなんかいない様子で、
「……わかった、あっちに行けばドアあるから、来て」
と歩き始めてしまった。
ま、まぁそうだよね、わたしが健人と付き合ってたとしても先生には何の関係もないし。
変なこと考えてないで、早く先生を追いかけなきゃ。
そう思って小走りで着いていくと、先生が軽くため息をつくのが見えた。
……先生も朝から試合で、疲れているのかな。
こんな暑い中、何の日よけもなしにいるなんて大変に決まってる。
付き添いの顧問という立場では、しっかりとした休憩も取れないだろうし……。
なんて考えているとすぐに緑のフェンスでできたドアまでついて、先生が簡易的な鍵を外そうとする。