お前、俺に惚れてんだろ?
どの教科の先生も、そんなに難しいことは教えてないと思うけど…。


「あーあ。どっかに、勉強教えてくれる先生いねぇかなー?」


頭の後ろで腕を組むナオトくんが、チラリと横目であたしを見た。


あ…あれ…?

もしかして、そのサインって…。


「…あたしでよければ、教えようか?」


あたしがそう言うと、ナオトくんが目にも留まらぬ速さで、あたしの手をガシッと握った。
< 123 / 973 >

この作品をシェア

pagetop