お前、俺に惚れてんだろ?
これは、花森高校の入試のとき、優馬くんからもらった…大切な大切な消しゴム。


「ちょっと見せて」


燈馬くんが手を出してきたので、あたしはその手に消しゴムを乗せた。


「…ふ〜ん。この消しゴム…どこで?」

「優馬くんに、受験のときにもらったのっ」

「受験?花森の?」

「そう。あたし、試験当日に消しゴム持ってくるの忘れちゃって…」

「へ〜…」


興味深そうに、消しゴムを眺める燈馬くん。
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