お前、俺に惚れてんだろ?
「…できたっ!」


それから1時間ほどして、ようやく写生が完成した。


こっそりと燈馬くんを見に行くと、ちょうど燈馬くんも鉛筆を持つ手を止めたところだった。


「…なに?また覗き?」

「そっ…そういうんじゃなくてっ。そろそろ時間だから…」


あたしの時計は、17時前を指していた。


ホテルには、18時までに帰るように先生たちから言われている。


「もうそんな時間?…わかった」
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