お前、俺に惚れてんだろ?
あたしは、歩き出そうとする優馬くんを呼び止めた。


「どうしたの、ほのかちゃん?」

「優馬くん、少しいいかな…」

「ん?」


あたしはゆっくりと優馬くんに歩み寄ると、右耳に触れた。


「…なにすっー…!」

「…やっぱり」


優馬くんは、少し抵抗したけど…もう遅かった。


というよりも…。


「あなた、燈馬くんね…」


そもそも、あたしの目の前にいるのは…優馬くんじゃなかった。
< 619 / 973 >

この作品をシェア

pagetop