お前、俺に惚れてんだろ?
ふと、並木道の時計を見ると、19時30分を過ぎていた。


こんな時間まで出歩いていたのは、初めてだ。


「…優馬くん、あたし…帰らないとー…」


………っ!?


一瞬のことで、あたしの頭はその状況について行けなかった。


力強く引き寄せられたと思ったら、あたしの顔はあっという間に堅いものに当たっていて…。


ようやく状況を把握できたのは、その5秒後だと思う。
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