あの日のチョコをもう一度
体育館裏に行くと、聡はもう来ていた


「ごめん、待った?」

「いや、別に」


気まずい空気が流れる

緊張で声が出せない


だけど、頑張るって決めたんだ!

あたしは勇気を出して、ファンダンショコラを聡の前に出した

「あ、あの......これ......」

喜んでくれるかな?と思ってドキドキした

だけど、聡の口から出た言葉は予想もしていないものだった


「何、これ?まさか、お前の手作り?あり得ねー!お前、そんなキャラだっけ?」

そう、嘲笑いながらゲラゲラと爆笑する聡

あたしは、何を言われてるのかわからなかった

「まさか、本命チョコ?お前が?気持ちわりー」

何、いってんの?

目の前にいる人は、本当に聡なの?

あたしは、絶望で何も考えられなかった

それと同時に、沸々と怒りが沸いてきた

折角、美羽が応援してくれて背中を押してくれたのに......

折角、勇気を出して告白しようとしたのに


それをこんな絶望的な形で踏みにじられ、怒りが沸かないわけがない

あたしは、差し出したチョコを引っ込めた

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