あの日のチョコをもう一度
「俺、ずっと後悔してた....あの日のことを。美野里が俺にチョコをくれようとしたときに、あんな酷いことを言ったことを。本当は凄く嬉しかったのに......」


嬉しかった?嘘でしょ?


「冗談やめて!あんなにあたしが本命チョコ作ったこと爆笑してたじゃない!」

あんな屈辱的なことってない......

「俺にも理解出来なかったんだ!なんであんなことしたんだろうって。いつの間にか、心にもないことを口走ってたんだ」


「それって、言い訳?」


「ッ、ひ、否定は出来ない......」


「.....そう。それで?」


早く、ここから立ち去りたい


だから、早く話終わってほしい......


「心にもないことを口走って、お前の気持ちを踏みにじって、本当に最低なことをした......。折角、お前が勇気を出して、気持ちを伝えようとしてくれていたのに......」


本当だよ......君は最低だよ......


「本当にごめん......。ずっと、謝りたかった.....。だけど、あの日を境にお前は俺を見向きもしなくなった。当然だよな......、あんな酷いことをしたんだから......」


自嘲気味に笑う葛原君


その瞳は酷く辛そうだった...... 


酷く、胸が痛かった......


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