あの日のチョコをもう一度
「本当にごめん。許して貰えるなんて思ってないよ」

それだけのことを俺はしたんだから......

彼は、そう呟いた


その表情はとても苦しそうだった


見ていて、こっちが泣きたくなるくらい......


「そう、話はそれだけ?」


だったら、ここにいる理由はもうない 


あたしは立ち上がった



「あの日のことで少しでも罪悪感を感じていてくれていたということがわかったから、それでいいよ。詫びがしたいとか償いたいとかそういうのはいいから」


あたしは葛原君に背を向けた


「だって、もう......終わったことだから......」


そう......終わったことなんだ......あの日は


それをいつまでも、お互い引きずる必要はない


お互い、前に進まないといけないんだ......


あたしも葛原君も、あの日から時間が止まったままだった


お互い、吹っ切れていないだけ......


だったら、あの日をことをお互いに綺麗サッパリ水に流そう......


そうすれば、全てが丸く収まる


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