あの日のチョコをもう一度
「ねえ、美野里。一体何があったの?あたしに教えてくれないの?」


美羽の瞳は淋しそう揺れてた


あの後、あたしは美羽に電話で

「3年前のあの事はもう、吹っ切れた。だからもう何も気にしないで」

とだけ伝えた


何がどうなったかの経緯は話していない


だって、誰にも言わず自分の胸に秘めておこうときめたから

だけど、美羽には納得がいかないみたいだった


「ねえ、美野里....。あたしってそんなに頼りない?あたしじゃあ相談相手にならない?」

そんなことない!

あたしは真っ先に否定した

でも、美羽の表情は一向に晴れない


「じゃあ、なんで?吹っ切れたはずなのに美野里はそんなに苦しそうなの?」

美羽の瞳から大粒の涙が流れた


「あたしッ、あの日から美野里の笑顔見て、ないッ!」

何も出来ない自分が悔しいよ......


美羽はそういってあたしの肩に顔を埋めた


ああ、あたしはいつの間にこんなに美羽を苦しめていたんだ


あたしは無意識に美羽を抱き締めながら

“ごめんね......”

と何度も呟いた

< 31 / 45 >

この作品をシェア

pagetop