あの日のチョコをもう一度
美羽が泣き止んだ後、あたしは全てのことを美羽に話した


話終わったら

「バカッ!美野里のバカッ!聡君も!」

と、怒鳴られた


訳がわからず、理由を問いだそうとしたら

美羽の一目散にスマホを取りだし、電話をかけた


「もしもし、真琴?今教室にいる?......そこに聡君もいる?......うん、わかった。今すぐ、聡君を屋上に行くように言って!もし、行かせられなかったら真琴とは別れるよ?」


な、何いってんだ、美羽!?

慌ててる真琴の姿が目に浮かぶよ......


電話を終えた美羽がこちらを向いた

先程の儚げな可愛さはどこへやら......

もとの姉御に戻っていた


「美野里、あんたも今すぐに屋上に行きな!そして、聡君に自分の今の思いを包み隠さず全てぶつけるの!」

え、えぇぇぇーーー!?

驚きで言葉が出ないあたしを無視して美羽は続けた


「可笑しいよ!あんたたち!どんだけ鈍感なの!?お互い、すれ違ってるだけじゃない!」

なんか、訳のわからないことを次々叫ぶ美羽

「美野里、あんたは本当にこのままでいいの?自分の気持ちを聡君に伝えなくて」

酷く真剣なその瞳から、目をそらすことは出来なかった

「あたしには伝える資格なんてないから」

「あーーーもーーー!」

ビクッ


なんなのよ......


「それはあんたが勝手に悪人ぶってるだけでしょうが!あんた聡君の気持ち何も聞いてないでしょ?なのに、勝手に自分で結論付けんな!」

鬼の血相で説教を繰り広げる美羽にあたしは何も言えなかった

そして、落ち着きを取り戻したように深呼吸をして


「聡君は美野里の本当の思いを知りたがってるはずだよ?ふたりの思いは縺れてるだけなの。今からそれを直しに行ってきな?聡君の本当の気持ちもきっと見えるから」

そういって、背中を押された


「でも......」

「大丈夫!3年前のあの日みたいなことには絶対ならないから。もし、またそうなったら、あたしが聡君を殺してあげるよ」

み、美羽の眼が本気だった

本当に殺りかねない......

だけど、あたしは嬉しく思えた


「ありがとう!美羽!あたしいってくるよ」


そういって、あたしは屋上に向けて走った


「全く、手の掛かる二人......」


美羽はそう微笑んでいた


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