あの日のチョコをもう一度
そんなくだらない口喧嘩をしていたら、真琴のスマホが鳴った

「もしもし?...あ、美羽!ん?俺?教室にいるけど。....聡?おお、いるよ?....屋上?ってえ?え?美羽!?ちょっと待て!おい!美羽!?」

美羽ちゃんからの電話みたいだけど、なんかアイツやけに慌ててんな

そんなことを考えてたら、真琴が涙目で俺の肩をガシッと掴んだ

「聡......今すぐ屋上に行ってくれ!頼む!このままだと俺、美羽と別れることになる!」

は?美羽ちゃんと別れる?

「どういうことだよ」

「美羽が言ったんだ。今すぐに聡を屋上に行かせろって。行かせられなかったら俺と別れるって......」

「言葉のあやだろ、それ。本心じゃねぇんじゃ?」

「いや、美羽の場合はマジなんだって!一回金輪際電話しないっていわれたことあったんだけど、そのあと俺が謝るまでマジで電話してこなかったし、口聞いてくれなかったことあったから......」

マジか......美羽ちゃん、恐るべし

「とにかく!今すぐ屋上いけ!多分美野里も来るはずだ!これがお前の気持ち伝えられるラストチャンスだよ!多分!美野里に気持ち伝えてこい!俺のためにも!」

最後の俺のためにも!ってやついらなかったな

まぁでも......


「サンキュ、行ってくるわ」

俺は、屋上に向かった


がんばれよーと後ろで真琴が叫んでいた

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