あの日のチョコをもう一度
「あ、そろそろ部活の時間だ。んじゃねー、美羽。チョコ作り頑張ってねん」


「もー、あんたも作んなさいよ!」


「やだよ、めんどくさいじゃん」


「全く、バイバイ」


「バイバーイ」


帰宅部の美羽と別れて、あたしは部活にいった




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「こんにちはー」



「あ!美野里先輩」


あたしが挨拶するとたちまち後輩に囲まれた


なぜかあたしは後輩たちになつかれてる


こんなのの、どこがいいんだか



「美野里先輩!美野里先輩は甘いもの好きですか?」


甘いものねー


「甘すぎるのはあんま好きじゃないかな~。アイスとかは全然大丈夫だけど、ケーキとかはちょっとねー」


「じゃあ、ブラウニーはどうですか?」


「コーヒーと一緒に食べるから平気だよー」


「わかりました!じゃあバレンタインに渡しますね!」


「あたしは生チョコにします!先輩受け取って下さいね!」


「はいはい、ありがとー。さあ、部活やるよー」


なんでこんなあたしに渡そうとするのか


皆は好きな人とかいないのか?


そう疑問に思いながらあたしは後輩たちに指示を出した


あたしの学校のテニス部は3年生がいない


最上級生が2年でなので、あたしが部長なんだ


まぁ、はっきり言って押し付けられたんだけど



「相変わらずモテモテですねー、美野里先輩♪」


「ニヤニヤしながらその呼び方やめてよ、気持ち悪い」


部活の同級生たちには毎回散々弄られるけど、なんだかんだであたしはこの部が好きだ



あたしは楽しく部活に励んだ



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