あの日のチョコをもう一度
そんなこんなで月日がたつのは早いもので、季節は冬、バレンタインの時期になってた

あたしは美羽とどんなチョコを作るかで盛り上がってた

「真琴からなんかリクエストあった?」

「うん、ガトーショコラがいいって。だからそれにする!」

「気合い入ってんねー」

本当、ラブラブだなー

「美野里は?」

「あたし?クッキーとか?」

「じゃ、なくて!」

いきなり、大声を出す美羽に若干ビビった

「聡君に告白するの?って聞いたの!」

イヤイヤ、主語なかったからそんなの解るわけないでしょ

「したほうがいいのかな」

「いいに決まってんじゃん!早くしないと聡君、誰かにとられちゃうよ?」

それは嫌だ

「わかった、あたし、バレンタインに聡に告白する」

よく言った!と美羽は大はしゃぎ

「じゃ、聡君だけには別の本命チョコ作んないとね!」

え?おんなじのじゃダメなの?

そういったら

「ダメに決まってんでしょ!聡君は特別なんだから!」

そういうもんなのかな?

「じゃあ、生チョコとか?」

「思いきって、フォンダンショコラ作れば?美野里得意じゃない!あれ、メッチャ美味しかったよ!?」

そう、あたしはお菓子作りが趣味で新作を作っては美羽に試食してもらっていた

あたしは、あまり甘党ではなかったため、というのもあるけど、甘党の美羽に毎回喜んで貰えてたのが嬉しかった

「うん、じゃあそうしよっかな」

「そうしなそうしな!あ、後、あたしの分も忘れないでよ!?忘れたら泣くよ?」

「わかってるよ、ちゃんとクッキー用意するから」

「約束ね~!」


そう、約束しながらバレンタインまでの時間が過ぎていった


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