私は大富豪のお嫁様ッ!?
―――翌日。
「本田…」
「あ…幸人。。。」
「ちょっと来い。」
幸人は、指をくいっと向け指図した。
「お前に言いたい事がある。」
風が容赦なく吹き付ける中で、屋上に立ったあたし達に幸人は口を開いた。
「俺、結婚する事になった」
幸人は、まるで結婚するのが別の人みたいに言った。
「うん、知ってるよ??」
あたしは、少し聞き気味に言った。
「……え?何で知ってんの?」
「……え?だって、相手あたしじゃん?」
あたしは、自分の方を指差しながら言った。
「―――…え?」
「…だから、相手あたしじゃん?」
「―――…え?相手お前なの?」
「…うん。え?違うの??」
「分かんね」
幸人は笑いながら、言った。
「でも、相手がお前なら良かったかも」
「……へ?」
まさかの言葉に、あたしは目を丸くする。
「だって、どっかのお嬢様だったら、色々と面倒くせぇじゃん。何も出来ねぇし」
幸人は、苦い顔をしながら言う。
「…あはは」
あたしも苦い顔をするしかなかった。