幻想 少女日和
禁じられた遊びの話
町の外れに、人が入ることが禁じられている森がありました。
森は、双子の女王様が支配していて、森に足を踏み入れた人間は、女王様が魔法の力で木に変えてしまうのでした。
女王様の魔法を恐れ、森に立ち入る人間は、ほとんどいませんでしたが、森の事を知らない者や、好奇心に駆られた者が、ごく稀に、森へ訪れました。
この男も、そんな人間のうちの一人。
彼は、旅人で、何も知らずに、森へ入ってしまいました。
「私の森へ、土足で上がりこむなど、なんて失礼な人間かしら」
「本当、わたくし達の森へ、手土産も無く勝手に入ってくるなんて、なんて愚かで失礼な人間かしらん」
「お許し下さい、女王様方。知らなかったのです。この森に主がいたことなど、知らなかったのです。どうぞ、この、無知な旅人をお許しください」
二人の女王様を前にして、旅人は、地面に頭をつけて謝っています。
そんな、旅人を、二人の女王様は同じ表情で冷たく見下ろしています。
「森に主がいるのは常識でしょう?知らなかったでは済まされない」
「その通りよ!愚かな旅人よ!森の木になるがいいわ!」
「そんな!どうかお許し下さい!なんでもしますからお許し下さい!余興でも、なんでもしますから、木にするのは勘弁して下さい!」
「余興?面白い!見せて貰おうじゃありませんか」
「そうよ!今すぐに見せなさい。面白かったら見逃してあげるわ」
「えっ?今すぐですか?」
焦りを見せる旅人に、女王様二人は声を合わせて言います。
「そう、今すぐよ!」
森は、双子の女王様が支配していて、森に足を踏み入れた人間は、女王様が魔法の力で木に変えてしまうのでした。
女王様の魔法を恐れ、森に立ち入る人間は、ほとんどいませんでしたが、森の事を知らない者や、好奇心に駆られた者が、ごく稀に、森へ訪れました。
この男も、そんな人間のうちの一人。
彼は、旅人で、何も知らずに、森へ入ってしまいました。
「私の森へ、土足で上がりこむなど、なんて失礼な人間かしら」
「本当、わたくし達の森へ、手土産も無く勝手に入ってくるなんて、なんて愚かで失礼な人間かしらん」
「お許し下さい、女王様方。知らなかったのです。この森に主がいたことなど、知らなかったのです。どうぞ、この、無知な旅人をお許しください」
二人の女王様を前にして、旅人は、地面に頭をつけて謝っています。
そんな、旅人を、二人の女王様は同じ表情で冷たく見下ろしています。
「森に主がいるのは常識でしょう?知らなかったでは済まされない」
「その通りよ!愚かな旅人よ!森の木になるがいいわ!」
「そんな!どうかお許し下さい!なんでもしますからお許し下さい!余興でも、なんでもしますから、木にするのは勘弁して下さい!」
「余興?面白い!見せて貰おうじゃありませんか」
「そうよ!今すぐに見せなさい。面白かったら見逃してあげるわ」
「えっ?今すぐですか?」
焦りを見せる旅人に、女王様二人は声を合わせて言います。
「そう、今すぐよ!」