まほうのそら。(完)
雨が降ってた。天気が悪くて、雨の嫌いなお母さんはイライラしてたのかな。
「お母さん!わたし水龍もだせるようになったよ!」
私はお母さんに認めてもらいたくて、水龍を作る練習をした。
水龍は自分で作り出す龍。一つ一つに魂を込めるからかなりの魔力が必要なん
だ。水の魔法使いたちのなかでも作れない人がいる。
それを当時五歳だったわたしが作れたのは多分魔法界で初だっただろう。
でも、そんなことはどうでもよくて。
ただ、お母さんに認めてもらいたくて。
前の日に初めて成功した水龍をお母さんに見せようとした。
「お母さん!みて!」
「...ないで」
「お母さん...?」
「ふざけないで!オールクイーンの一族なら水龍なんてすぐに作れるわ!
オールクイーンの力がないくせに...!役立たず!うざいのよ、毎日毎日!
あんたなんか...あんた...なんて」