まほうのそら。(完)
突然後ろから声が聞こえて振り向くと、葵君と手を繋いだ菫。
ってライバルって?
「女の子と普段まーったく話さない原田君が、あの女の子が抱きついても
嫌がってない。
さ、ら、に、女の子がしゃべろうとすると口をふさいでしゃべらせない!?
まさかあの女の子は天性の美声の持ち主では!?その声を聞いて、たくさんの
男子が惚れちゃうのを防ぐ...
なんてことはないかな!?」
天性の美声って...なんじゃそれ。でも、あり得るかもしれない。
原田真広のあんな焦り様は初めてみた。
そこまでいって菫は興奮した目で私を指差した。
「ありさ、大ピンチよ!原田君がとられちゃってるよ~?」
とられるって...なにそれ、私が原田真広のこと好きみたいになってる
じゃんっ!!いつのまにそうなってるの?