まほうのそら。(完)
「ひどい熱が出ているの。頭がグラグラしたでしょう。」
そう言って先生は私のおでこを指差して、
「そうそう、あなたをそこまで運んできたのは、原田君よ。そのおでこに
貼ってあるシートも原田くんが張ってくれたの。仲の良いカップルね。」
原田真広か...?
遠くで聞こえたあの声は原田真広だったのか...。
ていうか、原田真広とは...
「カップルじゃありませんよっ!」
何でカップルにみえるのよ...。
「えー?原田君、中原さんのこととても大事そうな目で見ていたわよ。
ベットに寝かせるときもすごい優しかったし。冷えピタシートも原田くんが
貼るって言い出したのー。まさかあの原田くんがこんな彼女に優しいとは...
って先生感心しちゃった。」
なっ...。うっとりしながら言う先生に、顔を赤らめながら
おでこを触った。原田真広が...貼ってくれた。
それを考えるだけでも自然と笑顔になった。