まほうのそら。(完)
遅いよ、遅すぎる。もっと早かったら女王のもとにずっといれたのに。
涙が溢れてきた。
泣いていた私に、足音が近づいてきて...。
目の前が暗くなって顔をあげると、冷たい顔をした菫が立っていた。
「ちょっとついてきて。全部...話す。女王は先に行っていてください。」
菫がそういうと、女王は静かに立ち上がって、すうっと吸い込まれるようにし
て消えた。魔法界に行ったのか...。
「菫...菫って最初から、友達じゃなかったの?」
どうして女王と一緒にいるの。
今の顔も、魔法界や、人間界で一緒に学校に居たときと全然違う。
今まで全部演技だったの?
「え、菫って...あんたがまさか菫!?」