まほうのそら。(完)
その奥にある出窓に静かに腕をおいていたスズが振り返った。
大きな目がぱっちりと開かれる。
「あなた...さっきの。ありさってひと。」
どうやら私が来たことにビックリしているみたいだ。
使用人が来たとでもおもったのだろう。
「スズ...私は、貴方の気持ちが痛いほどわかる。」
「...は?なんのことよ。」
突然なんだと言うような表情でスズが言った。
だけど、次の瞬間表情が変わった。
「女王に、お母さんに認められない、悔しい気持ちが。」
「なんで...。今日会ったばかりの他人のあんたがお母さんってこと...
しかも、認められない悔しい気持ちがって...何いってるのよ。
意味がわからないわ。」