まほうのそら。(完)
来るまでには苦労したけど。草生えすぎだし。
でも中は案外きれいだし、落ち着くからもったいなぁ。
すると原田真広少し驚いた顔をした。
「ここ、いいとこだよな。俺も好き。」
図書館のことってわかってるのにちょっとドキっとした。
ー俺も好き。
その顔がとても優しそうな笑顔だったから。何か思い出でもある場所
なのかな。
やさしく笑って外を見ている原田真広の横顔。
カッコいいな...って何考えてんの私。
と、とにかくなんか喋ろう。
熱くなってきた顔を冷やすように手でパタパタ仰いだ。
「原田真広は、どっか行かないの?」
「行かない。女たちがうざい。」
...人気者も大変ですね。
「お前はどこもいかないのか?ここの、水族館とか行ってくれば
いいのに。」