サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
井上さんが答えにくそうにしてる。
波多野さんもそれを分かって言ってるのだ。

「いや、だから今日は雰囲気だけでも見に来ようと」


「お前が言い出したの?マジで?」
演技じゃなくて、波多野さん本当に驚いてる。


「別にいいじゃないか?」
井上さんが、照れて赤くなってる。


「へええ、彼女とチャペル見て、模擬結婚式見学して、衣装着てみるわけ?変わるもんだな」
波多野さんは、笑いをこらえきれずに噛み殺しながら言う。


「そんなことより、腹減ってるんだけど。話は、もういいだろう?」


「わかった。何食べたい?」
波多野さん、まだ笑ってる。


「食べたことないのは、中華くらいか」


「わかった。レストランには連絡しとく」



「すまない。式の相談じゃなくて」



「いいさ、そんなこと。それよりこれ……」

急に小さくなる声。最後の方は聞こえなかったけど。
ラグジュアリーって聞こえた。


「なに?」井上さんが聞き返してる。


「特別なんだろう?しっかり決めろよ。まあ、俺のお節介で、ランクあげといたから」



「ああ。ありがとう」
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