サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
最高のウェデイング空間をあなたに
本日の内容
・ウェディングメニューご試食
・新作ウェディングドレス展示
・チャペル ご披露宴会場
ホテル館内のご見学
ウェディングドレスの試着
・ウェディングコーディネーター
による個別のご相談
井上さんは、渡された資料を真剣に見ている。
私は時々、資料を見ている彼の真面目な横顔を見る。
本当に素敵だ。ため息が出るくらい。
こういうの外見的には、似合わない訳じゃないんだけど。
何か違う。
違和感がある。特に性格的には。
こういう、ひらひらしたまどろっこしい事すべて絶対に好きじゃないでしょう。
どうしちゃったの?
本気で、このメニュー全部こなすつもりですか?
ドレスを試着して、チャペルと披露宴会場の見学。
私が想像する井上さんなら、
『見学などした所でどこもみんな一緒だ』
と、笑いながら捨て台詞を言って却下するはず。
井上さんが、一時間近くも、試着に付き合ってくるれるはずがない。
「井上さん、えっと私、ドレスの試着は遠慮してもいいですけど」
その間、ロビーでお茶でも飲んで待ってばいいよね。
「ダメ。君にドレスを着せるために、ここに来たんだ。外すなんてとんでもないじゃないか」
どういうこと?
「とんでもないって。たいしたことないのよ。ただドレスに着替えて写真撮るだけなんだから」
「ちゃんとわかってるよ。それに、しっかりカメラだって持ってきた。ほら」
なに、それ。どうしちゃったの?