サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
「そんなことないんじゃない?いうだけ言ってみてよ。花婿さんにこういうドレスを着てる姿が見たいって言えば、無視なんかできないな。本当にそれできれいだって思ってもらえるなら、着てみる価値はあると思うけど」
「じゃあ、これだな。これを着た君が見たい」
井上さんは、迷わず指で示した。
「こちらは、Aラインの商品で、ビスチェのタイプになっています。オーガンジー生地を特別に2枚重ねて、ハリのある光沢感を出しています。とってもゴージャスなウエディングドレスですね。この中では、一番上品なドレスですよ」
係りの人も保証してくれた。
「上品な光沢感があって、ロングトレーンがすごく華やかですよ」
と係りの人が、さらにつけくわえる。
「きれい……」
他のも素敵だけれど、私もこれがいいな。
「では、こちらのドレスでご用意いたしますね」
試着室に案内されて、中に入った。
ドレスは係りの人が着せてくれた。
何だか大げさな気がする。
鏡でうつった姿を見たけれど、自分じゃないみたい。
「まあ、とってもおきれいですよ。変身したみたい。ドレスにあわせて髪をアレンジしましょうね、メイクも少ししますから」
「後でお写真撮りますからね」