サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
「こっちへおいで」
ずかずかと部屋に入っていく彼の後を追って、私は恐る恐る部屋に足を踏み入れる。
部屋は、ゆったりしていて、ベッドルームと別になっている。
テーブルには、私たちの名前の入ったウェルカムボード、シャンパンのサービス、ベッドには、花束まで置いてある。
チャペルの景色も素晴らしかったけど、高い位置にあるこの客室の方が眺めが素晴らしい。
部屋の様子にも心を奪われるけれど、部屋の窓から見える景色は本当に素晴らしかった。
暮れていく空が、オレンジに染まっていた。
「うわあっ」っと子供みたいに声を上げた。
私は、ドレスの裾を上げ、窓際まで近寄った。
こんなに広い部屋なのに、ボリュームのあるスカートは、裾をひっかけないように気を遣う。
衣擦れの音がして、まるで自分じゃないみたいだ。