サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~


「こっちへおいで」

ずかずかと部屋に入っていく彼の後を追って、私は恐る恐る部屋に足を踏み入れる。

部屋は、ゆったりしていて、ベッドルームと別になっている。

テーブルには、私たちの名前の入ったウェルカムボード、シャンパンのサービス、ベッドには、花束まで置いてある。


チャペルの景色も素晴らしかったけど、高い位置にあるこの客室の方が眺めが素晴らしい。

部屋の様子にも心を奪われるけれど、部屋の窓から見える景色は本当に素晴らしかった。

暮れていく空が、オレンジに染まっていた。


「うわあっ」っと子供みたいに声を上げた。

私は、ドレスの裾を上げ、窓際まで近寄った。

こんなに広い部屋なのに、ボリュームのあるスカートは、裾をひっかけないように気を遣う。

衣擦れの音がして、まるで自分じゃないみたいだ。

< 116 / 192 >

この作品をシェア

pagetop