サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~

その夜、明日の本番に備えて、準備に余念がなかった。
荷物のチェックは何度もしたし、やるべきリストも頭に入れた。



私は、明日着ていく服をクローゼットから出して見てため息をつく。

いいじゃん。

もう、私にできる事は何もない。

あのまま、真裕さんの嘘に乗っかっていい思いをするべきだったか?

2カラットのダイヤ指にはめて、ニカっと笑って、ダイヤに負けてないわよって自信たっぷりな女を演じられただろうか?

0,5カラットでもビクビクしながら指輪をしてる私と、菜々さんを比べようって方がどうかしてるのだ。


そんな人に、迷ってるなら振出しに戻れって大胆に言ったんだ。


何ともったいないことを。

間違ってないし、正論だったけど。

気付かなかったってある意味、私ってすごいな。

バカ過ぎる。

結婚式。

なんで、行くって言っちゃったんだろう。
< 164 / 192 >

この作品をシェア

pagetop