サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~

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「あっ、丸山さん!!」


朝の地獄のような満員電車から抜け出して、ようやくオフィスにたどり着いたところで、竜也に声をかけられた。

トラブルがあると、嬉しそうに走って来るのはいつもと変わりない。

週末の、二日酔いから来るダルさが抜けきれてない。

そのせいかな……

なんか、竜也の周りに朝から重苦しい空気が、充満している。


それに、いま気が付いたけど、今日から私の呼び方丸山さんになったんだ。

あっそう。それならそれで
別にいいけど……

何となく寂しい気がするな。
ずっと『花澄ちゃん』って、気の抜けるような声で呼びかけてくれたのに。


多分、彼女に言われたんだろうな。

なれなれしすぎとか。どういう関係?とか


いつまでも、恋人気分でいるわけにいかないのは分かってるけど。



私は、竜也の事、どうしても木下さんって呼ぶ気になれなくて、ただ先輩と呼ぶことにしてる。


竜也は、手に持ってたリストらしき物を私に見せた。


「あのね、これ、会社関係のリストなんだよね。式の方に出席する人と、式には出ない人で分けてみたんだけど……」


それで?それがどうかしましたか?


何でも、相談されるのは結構ですけど、何で私に結婚式のことを相談するの?

私が結婚するわけじゃないんですけど。

と思いながらもリストに目を落とす私。


この人は、本当に几帳面に字面を、きっちり揃えて印刷する。仕事は丁寧なのだ。これが、彼の唯一の取り柄だと思うけど。


だから、こういうのも全部自分でやるのかなあと思った。

そんなの、誰がやったっていいけど。


竜也、何でもいいけど、思いっきり業務外なんですけど。


受け取って、パラパラっとめくって最後の集計の欄を見る。


「両方合わせて、全部参加したら、120人か。結構いますね」



「全部来るとは限らないけど、とりあえず大まかな数を、把握しないといけないと思って」


「そうですね。頑張ってください」

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