サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
さらに、竜也は輪をかけて人に、任せっぷりな性格を発揮する。
「ああ、そうなんだよな。実は、井上が影響してるんじゃないかって、菜々が気にしてて」
それで、私に探りを入れさせた訳?
唖然とする私。ここまで、気にしないって、逆に清々しいわ。
私も、どっと疲れが押し寄せて来て、壁にもたれた。
何?この疲労感。
マジでやってられない。
リストなんか突っ返してやろうと思ったけど、リストないじゃん!!
そう思って、リストを持っていた人物がいた方を見たら、彼とばっちり目が合った。
ちょっとの間、お互いの視線が絡まってたら、難癖をつけやがってみたいな剣幕で彼が、つかつかっとこっちに近寄って来た。
なんか怒ってる。
ちょっと、私、怒られるようなことした?
「おい、こんなところで何してる」
「待ってるんだ。石田さんの電話が終わるの」
竜也が、いつものように、へらっと笑いながら言う。
こういう時に、井上さんの神経を逆なでしなくてもいいのに。
「それはよかったな。それより、木下!お前、こんなことまで花澄にさせるな」
と、フロア中に響く声で言う。
「こんなこと?」
ダメだとおもうな、この人に道徳的な反省を求めても。
井上さんは、さすがにイラついたのか、竜也に丸めたリストをパシッと叩きつけた。
「いい加減にしろよ。今度こんな真似したら、幹事なんてすぐにでも降りてやる」