サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~



私が、久美子のところに戻ったときには、彼女は電話を終え私を待っていた。


もう少し正確に言うと、久美子は、私がドアを開けて中から出てくるのを、にらみつけるように見ていた。

多分、井上さんが出て行って時間が経って私が出てきたから、あらぬ想像を掻き立てたのだろう。

まあ、想像も全部は、間違いじゃないけど。


久美子がじっと考える振りして、話をして来ないのもそのためだろう。


聞きたいこと、山ほどあるはずよね?


だから、黙っていられるのは、本当に恐ろしいんだけど。


久美子は、ほとんど本能で行動している私と違って、頭もいいし、見た目も美しい。


営業でも、アシスタントから始めて、今では営業部の重要な戦力だし。

ただ、何でも聞き出して、あれこれ分析しようとするのは困ったものだ。

だいたい、私はそれほど考えて行動してないし。


何でも聞いていいから、そういうしかめっ面するの、止めてと言いたい。


あああ、でも全部ばれると、ほんとうるさいんだよね。この女は。

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