サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
「どうするの?これ。明らかになんかあったって感じだよね」
青木君が、出てきた数字を見ながら、あきれ顔で言う。
「えっと、それはね」
久美子は知ってるかもしれないけど、離れたフロアの青木君は、事情を知らないかも知れない。
彼のために、井上さんと菜々ちゃんの関係を話した。
「それは、当事者が、原因と思われる人物に交渉するしかないね」
青木君は、すぐに結論付けた。
「その通りなんだけど……」私は口ごもる。
その当事者がまるでなってない。
「井上さんの同期が、彼に気兼ねして出席を見合わせているわけ。だから、本人に説得してもらわないといけないんだけど、どう頼んでいいのか分からないの」久美子が珍しく分からないなんて言う。