サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
店の人が持ってきたものを見て、思わず叫んでしまう。
うわあああ。
「可愛い!!」
やっぱり、現実路線だとテンションが上がる。
お店の人に説明してもらった、ブロッサム、リリークラスターどれもきれい。
「だけど、これ!!」
真ん中の石に、小さな石が並んでる。
いいなああ。うっとりしちゃう。
「これ?他にもいろいろあるよ」
「可愛い」何てきれいなの?
雑誌の写真では見たこともあるけど。本物は全然違う。本当にきれい。
「そちらは、ベルシリーズのものでして。センターのラウンド・ダイヤモンドを複雑に入り組んだマイクロパヴェ・ダイヤモンドで囲んだ優雅なデザインとなっております。指にはめていただくととってもかわいいですよ」
うわあああ……可愛い……
「でも、これ、センターの石、0.52ctだよ。これくらいなら、婚約指輪で選ばなくても、普段使いで別に買えばいいじゃないか」
「聞こえてません」
「じゃあ、それにするか?人前でするには、ちょっと小さいけど」
「んん?なに言ってるんですか?」
別にみてるだけなんだから、いいじゃないの。
どうせ自分のものになるなんて、敵わないけど前に、こんなのがいいなって話してた。
竜也は似たようなものなら買えるんじゃないかっていったけど、もちろんどんなものだってよかったのだ。
好きな人から受け取るものだったら。
しばらく見つめていた。前には、この宝石のように輝いていた日のことを。
でも、もう手に入らない。
「何なら、今日決めてしまうか?」
「ちょっと待ってください」