サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~
「昼からの部に申し込んだけど、フェアでは、食事がほんの少ししか出ないから、受付だけ済ませて何か食べに行こう。何がいい?」
「だったら、今まで食べてないものかな」
「ああ」
受付を済ませ、レストランに向かおうとしたら、ホテルの人に呼び止められた。
「井上様でいらっしゃいますね?」
「はい」
ホテルの人に、にこやかに挨拶され、私なんか、どうしていいのか分からずどぎまぎしてしまう。
井上さんは話しかけられても当然という顔をしている。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
丁寧にあいさつされ、一緒に付いてくるように言われる。
井上さんは、素直に従ってる。
個室に案内され、係りの者が参りますので、しばらく待合室でお待ちくださいと言われた。
他のカップルたちは、大きめの部屋に入っていくのに、私たちだけ別室だった。
何だろう。
言われた通り待っていると、飲み物をもってレセプション担当の女性が入って来た。
「どうかしたんですか?」
私は、その女性に尋ねた。
「はい。私共の、バンケットアシスタントマネージャーが参りますので、こちらでお待ちください」
応接室のようなところで、そのまま待たされた。