KANON
キオク1
僕は、金井 翼(かない つばさ)
ゲーム会社に勤め、パソコンやネットで遊べるゲームを作っている。
僕には5年付き合ってる彼女がいた…
彼女の名前は、野山 ソラ(のやま そら)
同じ会社で一緒に働いて結婚するつもりで、彼女が好きな海の前にあるマンションを買い、一緒に暮らす予定だった。
なのに…彼女は2年前に白血病となり。
一緒に病気と闘い、俺は信じていた。
彼女は、まだ生き延びる。彼女は…ソラは病気に勝つって…
だけど、秋に彼女は死んだ…
ソラは、死ぬ間際に言った。
「また…あなたに会いたい…」と。
そう言い残して、俺の彼女は死んだ…
ソラの葬儀で、俺は泣けなかった。
葬儀が終わった日、ソラが好きな海に行った。
夕日を見ながら、俺は泣いた。
1人になって泣いた。
涙を流しながら、何気に海を眺めていると、白いワンピースを着た女性が海をボーっと見ながら立っている。
女性は、海に向かってゆっくり歩き、まるで吸い込まれるかのように海に入って行く。
俺は、慌てて女性のとこに行き、女性の体を海から引っ張り出した。
彼女も俺も砂浜に倒れ込んだ。
彼女に言った。
「あんた!何してんだよ!」
彼女は、俺をゆっくり見つめ気を失った。
俺は、彼女の頭を抱え、声をかけた。
「おい!大丈夫か!おい!」
俺は、頭混乱し、気付くと彼女を自宅に連れて帰り、自分のベッドに寝かせた。
とりあえず、シャワーを浴びた。
バスタオルで頭を拭いてリビングに戻ると、彼女がベッドから起き上がり、窓の外を眺めている。
彼女のとこへ、ホットミルクを持って行き
「いい景色でしょ?」と言いながらミルクを渡す
彼女は、ゆっくりカップを手に取りながら俺を見た。
「ここは…どこですか?」
「俺の家…でも!何もしてないよ!」
ちょっと焦り気味で言った。
俺…何言い訳とかしてんだ?
彼女は、ボーッとしている。
「てか、君はどこから来たの?」
答えない。それもそうか、知らない相手に教えるわけないか…
「じゃあ…名前は?」
名前くらいいいだろ…!
彼女は窓の外に見える海を眺め口を開く
「わからない…」
は?綾波レイか!?
「あ!名前聞く前に自分の名前名のるのがマナーだよね?」苦笑いした。
「俺は、金井 翼!よろしく。君は?」
今度こそ教えてくれるだろ…
「知らない…覚えてない…」
窓の方を向き、目を合わせない。
「家はどこ?送ってくから」
彼女は、手の中にあるミルクを見つめていた。
「私…記憶が…ない…」
この女…ふざけてんのか!
でも…彼女の目はまるで死んでるような目をしている。
「腹…減ってない?」
上手いものを食べれば、何か話してくれるかも…という期待を胸に簡単なオムライスを作って、彼女に渡した。
彼女はゆっくりスプーンを手にし黙って食べる
「上手い?」
彼女は静かに頷いた。
明日になれば帰るだろう…と考え、彼女をベッドに寝かせ、俺はリビングのソファーで寝た。
翌朝。俺は出勤の為一応彼女に朝飯作って置いて家を出た。鍵をポストに入れておくようメモ書きを置いて。
会社で彼女の事が気になって仕事に身が入らない。多分…どこの誰だかわからない人を家に連れ込むとか…俺としたことが…!頭を抱え悩んでいると、同期の松川 順平(まつかわ じゅんぺい)が来た。
「どした?何なやんでんだ?新企画の事でも考えてんのか?」
「いや…実はさ…」と、家にいる彼女の話しをした。
「ははっははっ…」腹を抱えて順平は笑った。
「おまえ。マジかよ!もう新しい女?気の代わりが早いだろう…」
笑いながら言った。
「違ぇよ!んなわけねぇだろ!ソラが居なくなって、そんな気さらさらねぇよ!」
ちょっとキレ気味に言った、
順平は真顔になる。
「だよな…じゃあ何で家に連れて帰っちゃったんだよ…救急車呼ぶとか他に方法あったろ…?」
順平の言葉にハッとした。
「あ…!その手があったか…」
「ったく!大丈夫かぁ?仕事に私情挟むなんてらしくねぇぞ!」
軽く俺の肩を叩き仕事に戻る順平。
だよな…
俺は気持ちを切り替え仕事に戻る。
仕事がやっとの思いで終わり、時計は8を過ぎてるのを確認し帰宅した。
リビングの明かりを点ける。
窓際に座って、膝を抱えて女性がいた。
俺はゆっくり女性の隣にしゃがみ声をかけた
「まだ帰ってなかったんだ…」
彼女は目を合わせないまま黙っている。
「あのさ…何があったか知らないけど、早く帰った方がいいんじゃない?家族の人とか心配してると思うよ?」
「家族…?」彼女は月を見てボヤいた
「恋人とか…いたっしょ?」
俺は彼女の顔を覗き込む。
無反応だ。
「本当に、覚えてないの?」
彼女は静かに頷いた。
「何も?」
彼女は首だけを縦に動かす。
俺はため息ついた。
俺は、ソファーに座り、コンビニで買った唐揚げを出し箸を持つと、彼女のお腹から音が聞こえる。
彼女は俯いたままだ。
俺は、何だかホッとして鼻で笑った。
「食う?腹の虫も鳴いてるみたいだし」
俺はその場を動かない彼女の元へ歩み寄り、から揚げを差し出した。
彼女はゆっくり手を伸ばし、から揚げを食べた
少し表情が和らいだ。
「から揚げ、好き?」
彼女がキョトンとした目をした。
俺はなぜか目を反らし苦笑いしながら
「いや…なんか嬉しそうだから…」
ふと彼女を見ると少しだけ微笑んでいた
「たぶん…」
少し頬が赤い。
ちょっと可愛く見えた。
やっぱり…普通の女の子みたいだ。
俺は、から揚げを食べながら言った。
「そうやって体で覚えていることから、ゆっくり思い出していけばいいんじゃん?」
少し間を開けた。
「記憶取り戻すまで、ここにいていいからさ。
あ!もちろん、君がこんなとこにいたければ!の話だけど」
あれ…俺。何で緊張してんだ?
彼女はまた無表情になり、夜空を見ている。
俺は台所に移動し冷蔵庫を開け、冷えた缶ビールを取り封を開ける。
ビールを飲みながら振り返ると彼女がカウンター越しに立っていた。
俺はドキッとした。
まるで貞子のような暗さだから…
彼女は俯いたまま口を開く
「あの…1つお願いがあるんですけど…」
ゲーム会社に勤め、パソコンやネットで遊べるゲームを作っている。
僕には5年付き合ってる彼女がいた…
彼女の名前は、野山 ソラ(のやま そら)
同じ会社で一緒に働いて結婚するつもりで、彼女が好きな海の前にあるマンションを買い、一緒に暮らす予定だった。
なのに…彼女は2年前に白血病となり。
一緒に病気と闘い、俺は信じていた。
彼女は、まだ生き延びる。彼女は…ソラは病気に勝つって…
だけど、秋に彼女は死んだ…
ソラは、死ぬ間際に言った。
「また…あなたに会いたい…」と。
そう言い残して、俺の彼女は死んだ…
ソラの葬儀で、俺は泣けなかった。
葬儀が終わった日、ソラが好きな海に行った。
夕日を見ながら、俺は泣いた。
1人になって泣いた。
涙を流しながら、何気に海を眺めていると、白いワンピースを着た女性が海をボーっと見ながら立っている。
女性は、海に向かってゆっくり歩き、まるで吸い込まれるかのように海に入って行く。
俺は、慌てて女性のとこに行き、女性の体を海から引っ張り出した。
彼女も俺も砂浜に倒れ込んだ。
彼女に言った。
「あんた!何してんだよ!」
彼女は、俺をゆっくり見つめ気を失った。
俺は、彼女の頭を抱え、声をかけた。
「おい!大丈夫か!おい!」
俺は、頭混乱し、気付くと彼女を自宅に連れて帰り、自分のベッドに寝かせた。
とりあえず、シャワーを浴びた。
バスタオルで頭を拭いてリビングに戻ると、彼女がベッドから起き上がり、窓の外を眺めている。
彼女のとこへ、ホットミルクを持って行き
「いい景色でしょ?」と言いながらミルクを渡す
彼女は、ゆっくりカップを手に取りながら俺を見た。
「ここは…どこですか?」
「俺の家…でも!何もしてないよ!」
ちょっと焦り気味で言った。
俺…何言い訳とかしてんだ?
彼女は、ボーッとしている。
「てか、君はどこから来たの?」
答えない。それもそうか、知らない相手に教えるわけないか…
「じゃあ…名前は?」
名前くらいいいだろ…!
彼女は窓の外に見える海を眺め口を開く
「わからない…」
は?綾波レイか!?
「あ!名前聞く前に自分の名前名のるのがマナーだよね?」苦笑いした。
「俺は、金井 翼!よろしく。君は?」
今度こそ教えてくれるだろ…
「知らない…覚えてない…」
窓の方を向き、目を合わせない。
「家はどこ?送ってくから」
彼女は、手の中にあるミルクを見つめていた。
「私…記憶が…ない…」
この女…ふざけてんのか!
でも…彼女の目はまるで死んでるような目をしている。
「腹…減ってない?」
上手いものを食べれば、何か話してくれるかも…という期待を胸に簡単なオムライスを作って、彼女に渡した。
彼女はゆっくりスプーンを手にし黙って食べる
「上手い?」
彼女は静かに頷いた。
明日になれば帰るだろう…と考え、彼女をベッドに寝かせ、俺はリビングのソファーで寝た。
翌朝。俺は出勤の為一応彼女に朝飯作って置いて家を出た。鍵をポストに入れておくようメモ書きを置いて。
会社で彼女の事が気になって仕事に身が入らない。多分…どこの誰だかわからない人を家に連れ込むとか…俺としたことが…!頭を抱え悩んでいると、同期の松川 順平(まつかわ じゅんぺい)が来た。
「どした?何なやんでんだ?新企画の事でも考えてんのか?」
「いや…実はさ…」と、家にいる彼女の話しをした。
「ははっははっ…」腹を抱えて順平は笑った。
「おまえ。マジかよ!もう新しい女?気の代わりが早いだろう…」
笑いながら言った。
「違ぇよ!んなわけねぇだろ!ソラが居なくなって、そんな気さらさらねぇよ!」
ちょっとキレ気味に言った、
順平は真顔になる。
「だよな…じゃあ何で家に連れて帰っちゃったんだよ…救急車呼ぶとか他に方法あったろ…?」
順平の言葉にハッとした。
「あ…!その手があったか…」
「ったく!大丈夫かぁ?仕事に私情挟むなんてらしくねぇぞ!」
軽く俺の肩を叩き仕事に戻る順平。
だよな…
俺は気持ちを切り替え仕事に戻る。
仕事がやっとの思いで終わり、時計は8を過ぎてるのを確認し帰宅した。
リビングの明かりを点ける。
窓際に座って、膝を抱えて女性がいた。
俺はゆっくり女性の隣にしゃがみ声をかけた
「まだ帰ってなかったんだ…」
彼女は目を合わせないまま黙っている。
「あのさ…何があったか知らないけど、早く帰った方がいいんじゃない?家族の人とか心配してると思うよ?」
「家族…?」彼女は月を見てボヤいた
「恋人とか…いたっしょ?」
俺は彼女の顔を覗き込む。
無反応だ。
「本当に、覚えてないの?」
彼女は静かに頷いた。
「何も?」
彼女は首だけを縦に動かす。
俺はため息ついた。
俺は、ソファーに座り、コンビニで買った唐揚げを出し箸を持つと、彼女のお腹から音が聞こえる。
彼女は俯いたままだ。
俺は、何だかホッとして鼻で笑った。
「食う?腹の虫も鳴いてるみたいだし」
俺はその場を動かない彼女の元へ歩み寄り、から揚げを差し出した。
彼女はゆっくり手を伸ばし、から揚げを食べた
少し表情が和らいだ。
「から揚げ、好き?」
彼女がキョトンとした目をした。
俺はなぜか目を反らし苦笑いしながら
「いや…なんか嬉しそうだから…」
ふと彼女を見ると少しだけ微笑んでいた
「たぶん…」
少し頬が赤い。
ちょっと可愛く見えた。
やっぱり…普通の女の子みたいだ。
俺は、から揚げを食べながら言った。
「そうやって体で覚えていることから、ゆっくり思い出していけばいいんじゃん?」
少し間を開けた。
「記憶取り戻すまで、ここにいていいからさ。
あ!もちろん、君がこんなとこにいたければ!の話だけど」
あれ…俺。何で緊張してんだ?
彼女はまた無表情になり、夜空を見ている。
俺は台所に移動し冷蔵庫を開け、冷えた缶ビールを取り封を開ける。
ビールを飲みながら振り返ると彼女がカウンター越しに立っていた。
俺はドキッとした。
まるで貞子のような暗さだから…
彼女は俯いたまま口を開く
「あの…1つお願いがあるんですけど…」