KANON
キオク4
ある日の日曜日。
俺は仕事が休みでゆっくり寝ていたところに、インターホンが何度もなる。
「うるせぇなぁ。誰だよ!」
とボサボサの髪を軽く手ぐししながら玄関を開ける。
俺は一瞬固まった「母さん⁉︎」
突然母親がきた。
「あんた、まだ寝てたの⁉︎ちょっと邪魔するわよ〜」とズカズカ入って行く。
「ちょっ…」俺が母親を追うと、カノンとリビングで母親は会ってしまい、母親は棒立ちだ。
「翼‼︎あんたって子は…ソラさんの事があったばっかりで、女の人を家に連れ込むとか!どういう神経してんの!」
母親は頭ごなしに俺に歯向かってきた。
連れ込むって人聞きの悪い…
俺が言い訳も出来ないまま、母親は昔の話を容赦なくむし返す。
何度も言われる事だから耳が痛い。
最終的には「紹介しなさい!」である。
どこから話せばいいか、考えていると…
カノンが口を開いた
「あの…つーさん。翼さんは悪くないんです」
俺と母さんは目を見開きカノンを同時に見た。
カノンは俯いて話し出した。
「私は…気付けば海の前にいて。気付けば海の中に入っているところを翼さんが助けてくれたんです。私は、誰なのか。何処からきたのかわからなくて。そんな私をここに居させてくれてるだけなんです」
「それって…つまり。記憶喪失…って事?」
母さんがア然とした顔で俺に聞いてきた。
「うん。そうみたい…」
俺の返答でとりあえず母さんは信じた様子だった。
「で?母さんは何しに来たの?」
俺は台所に行き飲み物を取る。
「あ!そうそう。この近くで同窓会があって。しばらくここにいるから。」
「は?しばらく…っていつまでいんの?」
「しばらくは、しばらくよ。あんたが1人でメソメソしてるんじゃないかと心配だったけど、違う意味で心配だから」
母さんは、何かを疑うような目で俺を見た。
俺はため息が出た。
母さんは、カノンに質問し始めた。
「本当に何も覚えてないの?家族とか、友達とか恋人とか…」
カノンはゆっくり頷いた。
「そう。困ったわね…」
そう言った後、母さんは俺を睨む。
「あんた!手出すんじゃないよ!婚約者でもいたら大変な事になるから!まさか!もう手出したんじゃ…」母さんの顔が青ざめる
俺は呆れた。
「出してないよ!何疑ってんだよ!」
母親って、時々うざい。何かと子供扱いするし
母さんが勝手に台所に行き、冷蔵庫を調べ始め
「あんた、ちゃんと食べてんの?ビールばっかり飲んで、体こわすわよ〜」
冷蔵庫の中の野菜やら出し料理をし始めた。
「ちゃんと栄養のバランス考えて…」と説教が始まった。
「あ〜うるさいな〜!もう俺、30だよ!子供扱いすんなよ!」
「母さんにとってはいくつになってもあんたは子供です!」手さばきよく、手を動かしながら母さんは言った。
俺と母さんの言い合いを聞いていた、カノンが吹き出し笑い始めた。
俺と母さんは目が点になり、2人でカノンを見た
カノンは俺達の様子を見て、おかしくなったらしい。
「仲がいいんですね。私にも、そうやって言い合える親がいたらいいな」と、ゆっくりリビングから外を眺めた。
俺と母さんは、微笑んだ。
母さんはゆっくりカノンに近づき
「きっと、いるわよ。あなたにも」
カノンの肩に手をそっと置き微笑み、同時にどこか遠くを見ていた。
「さ!ご飯食べましょう!チャーハンよ〜」
と自慢気な顔で皿に盛ったチャーハンをテーブルに置いた。
3人でチャーハンを食べる風景は、何だか懐かしい家族のような、暖かい感じだった。
ソラと結婚していたら、こんな家庭作れていたかな…と。ソラの写真をふと見て思った。
翌日。仕事の昼休み順平と社員食堂で親子丼を食べながら、母さんが家に来た事を話した。
「え!おふくろさんが?」
驚いた顔で俺を見た。
「うん。同窓会だか何だかでしばらく俺ん家にいるんだと」
「で?カノンちゃんの事は…?」
「話したよ。カノンが自分から」
「おふくろさん何だって?」
「とりあえず、理解したみたい。なんだか、私が母親代わりになるって張り切ってたよ」
呆れた顔で俺が言うと、順平は笑った。
「なんか、面白くなりそうだな…」
順平は興味津々な表情で言った。
こいつは、何を期待してるんだか…。
俺と順平は飯を食べ終わり、部署に戻ると社員達が何やら集まっている。
社員達の真ん中にいたのは、母さんだった。
「母さん!」と俺は母さんの手を引き部署から出る。
「何やってんだよ!」
「何って、お世話になってる皆さんに挨拶してたのよ〜。あんたの企画。上手くいったんだって〜すごいじゃない!」嬉しそうに話す。
「で?何か用があったんじゃないの?」
「あ!そうそう。あんたにとっておきの情報を持って来たのよ!」目を輝かせて、何やら考えていたらしい。
「とっておきの情報?べつに、家で話せばいいじゃん」
「カノンちゃんに関わる事なのよ!」
俺は仕事が休みでゆっくり寝ていたところに、インターホンが何度もなる。
「うるせぇなぁ。誰だよ!」
とボサボサの髪を軽く手ぐししながら玄関を開ける。
俺は一瞬固まった「母さん⁉︎」
突然母親がきた。
「あんた、まだ寝てたの⁉︎ちょっと邪魔するわよ〜」とズカズカ入って行く。
「ちょっ…」俺が母親を追うと、カノンとリビングで母親は会ってしまい、母親は棒立ちだ。
「翼‼︎あんたって子は…ソラさんの事があったばっかりで、女の人を家に連れ込むとか!どういう神経してんの!」
母親は頭ごなしに俺に歯向かってきた。
連れ込むって人聞きの悪い…
俺が言い訳も出来ないまま、母親は昔の話を容赦なくむし返す。
何度も言われる事だから耳が痛い。
最終的には「紹介しなさい!」である。
どこから話せばいいか、考えていると…
カノンが口を開いた
「あの…つーさん。翼さんは悪くないんです」
俺と母さんは目を見開きカノンを同時に見た。
カノンは俯いて話し出した。
「私は…気付けば海の前にいて。気付けば海の中に入っているところを翼さんが助けてくれたんです。私は、誰なのか。何処からきたのかわからなくて。そんな私をここに居させてくれてるだけなんです」
「それって…つまり。記憶喪失…って事?」
母さんがア然とした顔で俺に聞いてきた。
「うん。そうみたい…」
俺の返答でとりあえず母さんは信じた様子だった。
「で?母さんは何しに来たの?」
俺は台所に行き飲み物を取る。
「あ!そうそう。この近くで同窓会があって。しばらくここにいるから。」
「は?しばらく…っていつまでいんの?」
「しばらくは、しばらくよ。あんたが1人でメソメソしてるんじゃないかと心配だったけど、違う意味で心配だから」
母さんは、何かを疑うような目で俺を見た。
俺はため息が出た。
母さんは、カノンに質問し始めた。
「本当に何も覚えてないの?家族とか、友達とか恋人とか…」
カノンはゆっくり頷いた。
「そう。困ったわね…」
そう言った後、母さんは俺を睨む。
「あんた!手出すんじゃないよ!婚約者でもいたら大変な事になるから!まさか!もう手出したんじゃ…」母さんの顔が青ざめる
俺は呆れた。
「出してないよ!何疑ってんだよ!」
母親って、時々うざい。何かと子供扱いするし
母さんが勝手に台所に行き、冷蔵庫を調べ始め
「あんた、ちゃんと食べてんの?ビールばっかり飲んで、体こわすわよ〜」
冷蔵庫の中の野菜やら出し料理をし始めた。
「ちゃんと栄養のバランス考えて…」と説教が始まった。
「あ〜うるさいな〜!もう俺、30だよ!子供扱いすんなよ!」
「母さんにとってはいくつになってもあんたは子供です!」手さばきよく、手を動かしながら母さんは言った。
俺と母さんの言い合いを聞いていた、カノンが吹き出し笑い始めた。
俺と母さんは目が点になり、2人でカノンを見た
カノンは俺達の様子を見て、おかしくなったらしい。
「仲がいいんですね。私にも、そうやって言い合える親がいたらいいな」と、ゆっくりリビングから外を眺めた。
俺と母さんは、微笑んだ。
母さんはゆっくりカノンに近づき
「きっと、いるわよ。あなたにも」
カノンの肩に手をそっと置き微笑み、同時にどこか遠くを見ていた。
「さ!ご飯食べましょう!チャーハンよ〜」
と自慢気な顔で皿に盛ったチャーハンをテーブルに置いた。
3人でチャーハンを食べる風景は、何だか懐かしい家族のような、暖かい感じだった。
ソラと結婚していたら、こんな家庭作れていたかな…と。ソラの写真をふと見て思った。
翌日。仕事の昼休み順平と社員食堂で親子丼を食べながら、母さんが家に来た事を話した。
「え!おふくろさんが?」
驚いた顔で俺を見た。
「うん。同窓会だか何だかでしばらく俺ん家にいるんだと」
「で?カノンちゃんの事は…?」
「話したよ。カノンが自分から」
「おふくろさん何だって?」
「とりあえず、理解したみたい。なんだか、私が母親代わりになるって張り切ってたよ」
呆れた顔で俺が言うと、順平は笑った。
「なんか、面白くなりそうだな…」
順平は興味津々な表情で言った。
こいつは、何を期待してるんだか…。
俺と順平は飯を食べ終わり、部署に戻ると社員達が何やら集まっている。
社員達の真ん中にいたのは、母さんだった。
「母さん!」と俺は母さんの手を引き部署から出る。
「何やってんだよ!」
「何って、お世話になってる皆さんに挨拶してたのよ〜。あんたの企画。上手くいったんだって〜すごいじゃない!」嬉しそうに話す。
「で?何か用があったんじゃないの?」
「あ!そうそう。あんたにとっておきの情報を持って来たのよ!」目を輝かせて、何やら考えていたらしい。
「とっておきの情報?べつに、家で話せばいいじゃん」
「カノンちゃんに関わる事なのよ!」