正反対の二人
き、気持ち悪い!!
ガン
「ってー」
私の渾身の蹴りは男の脇腹に直撃した。
男は痛みに悶えるかと思いきや
「何すんだこのあまー!!」
思った以上に私の力は弱かったらしい。
私のケリで何人ものいじめっ子が餌食になってきたが
ここに来て何の役にも立たなくなった。
それどころか
火に油を注いでしまった。
思った以上の男女の力の差にたじろぐ。
「ひぃぃぃぃぃ」
するとこの緊迫した状況に耐え兼ねてサラリーマンが逃げ出す。
「あっ」
薄情ものー
思わず叫びたくなったが、目の前にある怒りの顔に頭が真っ白になる。
やだ、殴られる。
私は咄嗟に腕で顔をかばった。