正反対の二人








き、気持ち悪い!!




ガン





「ってー」





私の渾身の蹴りは男の脇腹に直撃した。



男は痛みに悶えるかと思いきや


「何すんだこのあまー!!」





思った以上に私の力は弱かったらしい。


私のケリで何人ものいじめっ子が餌食になってきたが

ここに来て何の役にも立たなくなった。




それどころか



火に油を注いでしまった。




思った以上の男女の力の差にたじろぐ。














「ひぃぃぃぃぃ」







するとこの緊迫した状況に耐え兼ねてサラリーマンが逃げ出す。


「あっ」





薄情ものー




思わず叫びたくなったが、目の前にある怒りの顔に頭が真っ白になる。






やだ、殴られる。




私は咄嗟に腕で顔をかばった。




< 16 / 100 >

この作品をシェア

pagetop