正反対の二人






小学三年生のあの日俺は数人の男女に呼び出された。










いや無理やり腕を引っ張られて連れてかれた。








いつもと同じように殴られた。



「だいたい、男の子のくせに可愛いなんておかしいのよ。このオカマ」






「お前見てるとムカムカしてしょうがない」






「この女男、気持ち悪い」






いつもならこんな言葉気にしない。



でもこの日は違った。



可愛いと言われたからだろうか




『私は可愛い楓好きだよ』



いつも口癖のように奈夢が言ってくれるこの言葉





それに始めて疑心暗鬼になった。





本当はナムも思ってるんじゃないかって







“男が可愛いなんておかしいって”










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