クールな先輩を恋の矢で射止めます
ーバタン
ドアに寄りかかりながら背中で閉めた。
初めて、自分でやりたいと見つけたもの。
だけど、それはお金の問題で諦めちゃいけないのかな。
雪名先輩や山崎先輩と一緒にできると思ったんだけどな。
「……しょうがないよね」
自分でだって今すぐに用意できるお金じゃないし。
やりたい気持ちだけじゃ、できない時だってあるんだなって思った。
山崎先輩に明日入部できなくなりましたって言わなくちゃ。
あたしはバッグを置いて、ベッドにダイブした。
お母さんなら絶対にオッケーしてくれると思ったのにな。
もう考えるのやめよう。考えたってやりたくなるだけだし……。