クールな先輩を恋の矢で射止めます
「花?どうかした?他に用とか?」
私の勘違いだったら全然いいんだけどーと言う春歌。
「えっと…あの」
「ん?」
春歌が気付いてくれたんだから、ここで言わなくちゃ。
ここで『何でもない』なんて気まずくなるの避けて言っちゃったらもうチャンスはない。
「あたしね、事情があって今すぐ弓道部に入れないの……」
あたしは手をぎゅっと握りながら、足を止めて答えた。
そう言った途端、雪名先輩に会えるのを楽しみにしていた春歌の顔が一気に変わった。
「……え、どうして?私、花と一緒に頑張るつもりだったのに」
足を止めた春歌はすごくショックを受けてるように見えた……。