クールな先輩を恋の矢で射止めます



その声に少し離れたところで話していた三人が振り向いた。



山崎先輩はあたしの顔を見ると『あっ!花ちゃん来てくれたんだね!』と言ってこっちにおいでと合図をしてきた。



あたしは『すみません』と言いながら、先輩たちから抜け出して、山崎先輩たちのところに向かった。




「じゃあ、そのメニューで。おっ!一年生、よく来てくれたね。一緒に頑張ろうな」



「はい」



先生はあたしに声を掛けると、一回職員室戻るからと言ってそそくさに出ていってしまった。



なんか反射的に返事しちゃったけど、大丈夫かな?



あたし、このまま帰るのに。



でも名前言ってないし、顔だって覚えられてないから大丈夫だよね。



それよりも!!!



「あの、山崎先輩。雪ちゃんって誰ですか?」



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