クールな先輩を恋の矢で射止めます
「じゃあ今日から入ってくる1年のまとめ役を俺の代わりにやる?」
「何もやらねぇよ。俺は」
フイっと彼はそっぽを向いてしまった。
「だって!花ちゃんの指導係やるって!」
「…………」
「え、でも雪名先輩はそんなこと……」
「大丈夫。どっちかは何だかんだ言ってやるから。
いろいろとあると思うけど、花ちゃんがここに来てくれるの待ってるから」
本当に何かあったら俺でも雪名でも頼ってと言ってくれた。
「ありがとうございます」
あたしはぺこっと二人に頭を下げると、弓道場を後にした。
きっと一ヶ月後、あたしはここに戻ってくる。
そう心に強く決めて。
あたしはバイト探しを始めた。