クールな先輩を恋の矢で射止めます



「お越しいただいたところ申し訳ありませんが今日は生憎すべてケーキが完売してしまって……」



ショーケース越しに立つ店長らしきコックコートを着た優しそうなおじさんと赤いエプロンを着たおばさんに頭を下げられてしまった。



「あっ……違うんです。あたし、お客さんとして来たんじゃなくて、



入り口のチラシを見て来たんですけど……」



緊張して、声が少し震えてる気がする。



まだ決まってないといいんだけど……。



「あっ!もしかしてバイト希望してくれてるの?」



「お父さんすぐに何か用意して」



「あぁ、分かってる。少し待っててくれるかな?」



あたしは『はい』と返事しながらコクンと頷いた。



そして女の人がテーブル席に案内してくれて、あたしは『失礼します』と言いながら座った。



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