クールな先輩を恋の矢で射止めます
「来月には入部できるようにします」
入学式が終わって、次の週から放課後は部活動見学が始まった。
弓道部に入るかどうかはまだ分からないけど、バイトもしようかどうか迷う。
バイトをすればお母さんからお小遣いがもらえなくなっちゃうけど、それでもきっと自分で使えるお金が増えるよね。
両方やるなんて、あたしには器用なことできるわけないしな。
絶対に勉強の方に支障が出そうだし……。
そんな考え事をしていると、後ろから優しくトントンと肩を叩かれた。
あたしは反射的に後ろを振り向くと
「いきなり声かけてごめんなさい。わたし、麻田春歌(あさだ はるか)です!
あの、先週ゆきな先輩に声掛けられてましたよね?」
声を掛けてくれた麻田さんはなんだか羨ましそうな視線であたしをみてくる。