クールな先輩を恋の矢で射止めます




「おい、雪名!待てって!



花ちゃん、ごめん!また今度!」



山崎先輩はそう言うと、雪名先輩を追って走って行ってしまった。



そして辺りを見ると、お店に並んでたお客さんたちの一部はあたしたちを見ていたみたいだった。



……恥ずかしい。



早く戻ろう!



あたしは視線を下に向けながらそそくさとお店の中に戻っていった。



「何も……言えなかった。結局誤解されちゃったよ」



その後、バイトが終わるまでそのことが頭から離れなくて



ケーキを落としそうになったり、注文の内容を間違えたりして集中できなかった。



店長さんたちに怒られることはなかったけど、それでも罪悪感でいっぱいになった。



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